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イギリスの玄関口「ヒースロー空港」。私が初めてこの空港を利用したとき、正直に言うと「空港のご飯なんて、どうせ味気ないサンドイッチくらいだろうな」と、あまり期待していませんでした。
でも実際に歩いてみると、想像していたのとはかなり違ったんですよね。有名シェフが監修したレストランがあったり、シャンパンをゆっくり楽しめるバーがあったり、小腹が空いたときにはラーメンや寿司でホッとできるお店もあったり。ヒースロー空港には、5つのターミナル全体で100軒を超えるカフェやレストラン、バーがあると言われていて、正直「空港でここまで食事にこだわれるのか」と驚いた記憶があります。
ただ、ここで一つ厄介なポイントがあります。ヒースロー空港は保安検査を通過するとターミナルの外に出られない「ターミナル制」の空港なので、自分が使うターミナルによって、食べられるお店がまったく変わってしまうのです。「あのレストラン美味しいらしいよ」と聞いていても、自分の搭乗ターミナルになければ、当日たどり着くことすらできません。
この記事では、ヒースロー空港のグルメ事情の基本を整理したうえで、ANA・JAL・英国航空(British Airways)など主要な航空会社が発着するターミナルごとに、実際に評価の高いレストランをまとめました。読み終える頃には、「自分はどのターミナルで、何を食べればいいのか」がはっきりして、当日は迷わずお店に向かえるようになっているはずです。
せっかくマイルや特典航空券を駆使して手に入れたロンドン行き。搭乗前の数十分から数時間も、旅の一部として気持ちよく過ごせたら、それだけで旅の満足度はぐっと上がると私は思っています。
具体的なお店を紹介する前に、まずは押さえておきたい基本情報を整理します。ここを知っているかどうかで、当日の動き方がまったく変わってきます。
ヒースロー空港には現在、ターミナル2・3・4・5の4つのターミナルが稼働しています(旧ターミナル1は2015年に閉鎖済みです)。そして、どの航空会社がどのターミナルを使うかは、おおむね次のように決まっています。
- ターミナル2(The Queen’s Terminal):ANA(全日本空輸)をはじめとするスターアライアンス系の航空会社
- ターミナル3:JAL(日本航空)、ヴァージン・アトランティック航空、エミレーツ航空、アメリカン航空、キャセイパシフィック航空など
- ターミナル4:エールフランス航空、KLMオランダ航空、大韓航空などのスカイチーム系、カタール航空、エティハド航空など
- ターミナル5:英国航空(British Airways)、イベリア航空
私が個人的に「これは知らないと損だな」と感じたのは、この事実を知らずに「あの店で食べたい」と当日焦ってしまう人が、実はかなり多いという点です。保安検査を通過したあとにターミナルを移動することは基本的にできないので、自分の航空券の予約確認画面やeチケットで、事前に発着ターミナルを確認しておくことを強くおすすめします。ANAをご利用の方は「ANA公式のヒースロー空港ガイド」、JALをご利用の方は「JAL公式のヒースロー空港情報」で、最新のターミナル情報をチェックしておくと安心です。
ヒースロー空港のレストランは、大きく分けると「有名シェフ監修のフルサービス レストラン」「カジュアルなチェーン系レストラン(Wagamama、YO!など)」「コーヒーやサンドイッチ中心のグラブ&ゴー系」の3タイプに分かれます。ロンドンという都市の物価を考えると、空港内の飲食もイギリス国内の一般的なレストランと近い水準で、いわゆる「観光地価格」で極端に高いというより、ロンドン市内のカフェ・レストランと同じくらいの感覚と捉えておくとよさそうです。正確な価格は日々変動しますし、為替レートによっても体感が変わるため、この記事では具体的な金額の断定は避けますが、「軽食なら数百円〜、しっかりしたコース料理ならそれなり」というイメージを持っておくと、現地でのメニュー選びに迷いにくくなります。
このあたりは、せっかく特典航空券やマイルを駆使して費用を抑えた旅だからこそ、少し意識しておきたいポイントでもあります。移動や宿泊で上手に節約できた分、搭乗前の食事には少しだけ予算を使って、旅の始まりや締めくくりを丁寧に演出する。そんなメリハリの付け方も、お得にリッチな旅を楽しむコツの一つだと私は思っています。
これは航空券の予約状況や当日の混雑によって変わるので一概には言えませんが、私が意識しているのは「フライトの2〜2.5時間前には保安検査エリアに到着しておく」という一般的な国際線の目安です。保安検査からゲートまでの移動にも時間がかかる空港なので、「ゆっくり食事を楽しみたい」という方は、余裕を持ったスケジュールを組んでおくのが安心です。逆に乗り継ぎ時間が短い方は、この記事の後半で紹介するグラブ&ゴー系のお店を中心に考えるのがおすすめです。長めの乗り継ぎがある方は「ヒースロー空港トランジット完全攻略」も参考にしてみてください。
特に夏休みやお盆、年末年始といった繁忙期は、保安検査自体に時間がかかることも珍しくありません。「食事は保安検査の後でゆっくり」と決めていても、当日の混雑次第では予定が崩れてしまうこともあるので、余裕を持ったスケジュールを組んでおくに越したことはありません。「早めに着いて、食事はその後でゆっくり選ぶ」くらいの心づもりでいると、到着してからメニューに迷う時間も含めて、当日の気持ちの余裕がかなり変わってきます。
「英語のメニューを見て、その場で注文するのが不安」という気持ち、すごくよく分かります。私も最初のロンドン旅行では、レジ前で焦った経験があります。
ヒースロー空港では、公式の「Heathrowアプリ」を使うことで、事前に飲食メニューを確認したり、一部店舗では注文・決済まで済ませられる仕組みが用意されています。日本を出発する前にアプリをインストールしておけば、機内で待ち時間にメニューをゆっくり眺めて、心の準備をしておくことができます。
支払い面では、イギリスは基本的にクレジットカードやタッチ決済が広く使われている国で、空港内の店舗もカード決済を前提としているところがほとんどです。日本の国際ブランドのクレジットカード(VisaやMastercardなど)があれば、多くの場面で困ることは少ないはずですが、念のため出発前にカードの利用限度額や海外利用設定を確認しておくと、当日の安心感が違います。
もう一つ、日本人旅行者が戸惑いやすいのが「サービス料(チップ)」の扱いです。フルサービスのレストランでは、会計時に自動的にサービス料が加算されているケースがあります。カジュアルなグラブ&ゴー系のお店であれば基本的に気にする必要はありませんが、着席してオーダーするタイプのレストランでは、レシートに「Service Charge」といった項目がないか、会計前に一度確認しておくと戸惑わずに済みます。分からないことがあれば、スタッフに直接聞いてしまうのが一番早い解決方法です。空港のスタッフは多くの旅行者に対応し慣れているので、身構えすぎなくて大丈夫です。
ここからが本題です。ご自身の搭乗ターミナルに合わせて、該当する見出しをチェックしてみてください。なお、空港内の店舗は改装や入れ替わりが度々あるため、渡航直前には「ヒースロー空港公式のレストラン一覧」で最新の営業状況を確認しておくとより安心です。
ANAでロンドン入りする方が使う「The Queen’s Terminal」ことターミナル2は、個人的にかなり気合いの入ったグルメが揃っている印象があります。
- 「Le Café Louis Vuitton」:フランスの人気シェフ、シリル・リニャック氏が監修するカフェで、ルイ・ヴィトンの店舗内に併設されています。少し優雅な気分でコーヒーや軽食を楽しみたいときにおすすめです。
- 「Bill’s」:スクランブルエッグやアボカドトーストなど、季節の食材を使った気取らないブリティッシュ料理が並びます。朝早い便の前に、しっかりした朝食を取りたい人向けです。
- 「YO!」:コンベアベルトで寿司が流れてくる、日本でもおなじみのスタイルのお店です。長時間フライトの前に和食が恋しくなった、という方の心強い味方になってくれます。
JALでロンドン入りする方や、ヴァージン・アトランティック航空、エミレーツ航空などをご利用の方が中心となるターミナル3は、カジュアルに楽しめるお店が充実している印象です。
- 「YO!」:ターミナル2と同じく、寿司やお弁当スタイルの和食が楽しめます。JALで帰国する前、最後にもう一度和食を、という気分のときにも便利です。
- 「The Curator」:イギリスの季節の食材を使ったメニューと、手作り感のあるカクテルが楽しめる、少し落ち着いた雰囲気のレストラン&バーです。搭乗前に少しゆったりした時間を過ごしたい方向けです。
- 「Giraffe」:カラフルな内装が目印の、家族連れにも人気のワールドキッチン。フィッシュ&チップスからカレーボウルまでメニューの幅が広く、子ども向けメニューも充実しています。
- 「The Oceanic」:クラフトビールやカクテルと一緒に、パブ料理をしっかり楽しめるお店です。搭乗前に軽く一杯、という方に向いています。
英国航空(British Airways)のホームターミナルであるターミナル5は、5つのターミナルの中でも特に飲食店の選択肢が多いことで知られています。
- 「Gordon Ramsay Plane Food Market」:世界的に有名なシェフ、ゴードン・ラムゼイ氏が手がけるレストラン。朝食からお寿司、ハンバーガー、ピザまで幅広いメニューが揃っており、機内で食べられるテイクアウト用のボックスも用意されています。「機内食があまり期待できないフライトだから、先にしっかり食べておきたい」という方に特に人気です。
- 「Fortnum and Mason Bar」:歴史ある英国の名店フォートナム&メイソンが手がけるバー。シャンパンやオイスター、スモークサーモンなどが楽しめ、旅の始まりや終わりを少し特別なものにしてくれます。
- 「wagamama」:温かい麺料理やカレー、ライスボウルが楽しめる定番のアジアンダイニング。朝6時から朝食メニューも用意されています。
- 「Giraffe」:ターミナル3と同じく、家族連れにも使いやすいワールドキッチンです。
エールフランス航空やKLMオランダ航空、大韓航空、カタール航空などを利用して、ヒースロー空港で乗り継ぎをする方が使うことの多いターミナル4です。他のターミナルと比べると飲食店の数はやや少なめですが、それでも押さえておきたいお店があります。
- 「Co-Pilots Bar and Kitchen」:軽めの食事からしっかりめの一皿まで対応できる、使い勝手のよいバー&キッチンです。
- 「Wild Olive」:地中海や中東の風味を生かした、素材本来の味を楽しめるカジュアルなレストランです。
ターミナル4は他のターミナルよりも飲食店の選択肢が限られる傾向にあるため、乗り継ぎ時間が短い方は、保安検査後すぐに目についたお店で早めに食事を済ませておく、という判断も現実的だと思います。プライオリティパスをお持ちの方であれば、ラウンジ内の軽食で済ませてしまうという選択肢も、時間を有効に使う一つの方法です。
また、行きと帰りで発着ターミナルが異なる航空会社を利用する方や、コネクティングフライトで別の航空会社に乗り継ぐ方は、往路と復路でまったく違うグルメ体験ができるという楽しみ方もできます。「行きはターミナル3で気軽にThe Curator、帰りはターミナル5でFortnum and Masonのシャンパンバーを楽しむ」といった組み立て方をしておくと、旅の始まりと終わりに、それぞれ違った余韻を持たせることができます。
ターミナル別・早見表
| ターミナル | 主な航空会社の例 | 代表的なグルメ | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| ターミナル2 | ANA、スターアライアンス系 | Le Café Louis Vuitton、Bill’s、YO! | 優雅なカフェもカジュアルな和食も両方楽しみたい人 |
| ターミナル3 | JAL、ヴァージン・アトランティック航空、エミレーツ航空など | The Curator、YO!、Giraffe | 落ち着いたレストランから家族向けまで幅広く選びたい人 |
| ターミナル5 | 英国航空、イベリア航空 | Gordon Ramsay Plane Food Market、Fortnum and Mason Bar | 選択肢の多さを活かして少し贅沢に過ごしたい人 |
| ターミナル4 | エールフランス航空、KLM、大韓航空など | Co-Pilots Bar and Kitchen、Wild Olive | 短い乗り継ぎ時間で手早く済ませたい人 |
※航空会社の発着ターミナルは変更される場合があるため、必ずご自身の航空券やANA・JAL公式サイトで最新情報をご確認ください。
最後に、出発前にやっておくと当日の安心感が変わることをまとめます。
- ご自身の航空券・eチケットで発着ターミナルを確認しておく
- 「Heathrowアプリ」を日本にいるうちにインストールし、気になるお店のメニューを眺めておく
- クレジットカードの海外利用設定・限度額を確認しておく
- プライオリティパスをお持ちの方は「ヒースロー空港攻略法:プライオリティパスで優雅に過ごす」もあわせてチェックしておくと、ラウンジでの軽食という選択肢も視野に入ります
- 長めの乗り継ぎがある方は「ヒースロー空港トランジット完全攻略」で時間別の過ごし方を確認しておく
美味しいものを見つけても、それを気持ちよく楽しむための小さな準備があると、旅の満足度がさらに上がります。
- 除菌シート・ウェットティッシュ:機内やレストランのテーブルをさっと拭きたいとき、地味に役立ちます
- 携帯用の胃腸薬:フライト前後は食生活が変わりやすく、念のため持っておくと安心です
- 折りたたみ式の保冷・保温バッグ:Gordon Ramsay Plane Food Marketのようにテイクアウト用のボックスを扱うお店もあるので、機内で美味しく食べたい方には便利な持ち物です
- 圧縮ポーチ:お土産に食品を買う予定がある方は、スーツケース内のスペース確保にひと役買ってくれます
こうしたアイテムは「困ってから空港内の売店で探す」よりも、事前に用意しておくほうが、当日は食事そのものに集中できます。
Q. ヒースロー空港のレストランは現金で支払えますか? A. 店舗によって異なりますが、イギリスは全体的にカード決済やタッチ決済が主流です。念のため国際ブランドのクレジットカードを用意しておくと安心です。
Q. 保安検査後、ターミナルを移動して別のお店に行くことはできますか? A. 基本的にはできません。ヒースロー空港は保安検査を通過するとそのターミナル内での移動が前提となるため、事前にご自身の発着ターミナルを確認しておくことが大切です。
Q. 英語のメニューが読めるか不安です。 A. Heathrowアプリで事前にメニューを確認できるお店もありますし、多くのレストランは写真付きメニューを用意しています。心配な場合は、日本を出発する前にアプリをインストールして、気になるメニューを見ておくと落ち着いて注文できます。
Q. 子ども連れでも入りやすいお店はありますか? A. wagamamaやBill’sのような、カジュアルで幅広いメニューを扱うレストランは、家族連れにも利用しやすい雰囲気です。
Q. ベジタリアンやアレルギー対応のメニューはありますか? A. イギリスは日本と比べてベジタリアン・ヴィーガン対応が進んでいる国で、多くのレストランでベジタリアンメニューが用意されています。アレルギーに関する具体的な対応可否は店舗やタイミングによって異なるため、心配な方は事前にHeathrowアプリや各店舗の公式サイトでメニューを確認しておくか、来店時にスタッフへ直接確認するのが確実です。
Q. 乗り継ぎ時間が短い場合、どのくらいの余裕を見ておくべきですか? A. 空港の混雑状況やフライトによって変わりますが、ゆっくり食事を楽しみたい場合は余裕を持ったスケジュールを組んでおくのがおすすめです。詳しくは「ヒースロー空港トランジット完全攻略」もあわせてご覧ください。
ヒースロー空港のグルメは、「ターミナルが分かれている」という一点さえ押さえておけば、決して怖いものではありません。むしろ、有名シェフ監修のレストランから、ホッとする和食のお店まで揃っているという意味では、空港での時間そのものが旅の楽しみの一つになってくれます。
私自身、最初は「空港ご飯なんて、しょせん時間つぶし」くらいに思っていたのですが、有名シェフ監修のレストランやシャンパンバーの存在を知ってからは、「搭乗前の時間も旅の一部なんだ」という感覚に変わりました。搭乗前のちょっとした時間も、こうやって丁寧に選ぶことで、旅全体の満足度が変わってくるんですよね。
次の一歩として、まずはご自身の航空券で発着ターミナルを確認し、この記事で紹介したお店の中から気になる一軒をメモしておいてみてください。それだけで、当日の「どこで何を食べよう」と迷う時間が、「あそこに行ってみよう」というワクワクした時間に変わるはずです。

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